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創世記 21 - 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 bible

創世記 21

¹主は、約束された通りにサラを顧み、仰せられた通りにサラになさった。

²サラは妊娠し、神がアブラハムに仰せられた通りの時に、年老いたアブラハムの子を産んだ。

³アブラハムはサラが産んだ男の子をイサクと名付けた。

⁴アブラハムは、神が命じられた通りに、生れて八日目に子供のイサクに割礼を施した。

⁵アブラハムは、その子イサクが生れた時、百歳であった。

⁶サラは嬉しくなって言った。「神様は私を喜ばせてくださいました。このことを聞く人たちも喜んでくれることでしょう。」

⁷サラは続けて言った。「私が子供に乳を飲ませるなんて、だれが想像できたでしょう。でも、私は年を取った主人の子供を今本当に産んだのです。」

⁸さて、その子はどんどん成長し、乳離れするころになった。イサクが乳離れする日を記念して、盛大なお祝をした。

⁹エジプトから来た下女ハガルが産んだアブラハムの子イシュマエルが、イサクに悪意のある態度を示しているのを見たサラは、

¹⁰アブラハムに訴えた。「この下女とその子を家から出してください。あれは、後継ぎになるような者ではありません。」

¹¹イシュマエルも自分の子供であったので、アブラハムは思い悩んだ。

¹²すると、神はアブラハムに仰せられた。「イシュマエルやハガルのために心配することはない。サラの言う通りにするがよい。イサクの子孫こそ、約束を受け継ぐ者たちにほかならない。

¹³しかし、イシュマエルも、決して見捨てはしない。彼の子孫を一つの国民にしよう。」

¹⁴そこで、アブラハムは朝早く起きて、弁当と水筒をハガルに背負わせ、イシュマエルと一緒に家から去らせた。ハガルたちは、そこから出て、ベエル・シェバの荒野をさ迷い歩いた。

¹⁵水筒の水が無くなったので、ハガルは子供を木の下に座らせ、

¹⁶自分はちょっと離れた所へ行き、そこに座った。彼女は、子供が死ぬのを見るに忍びないと思ったからである。彼女が子供の方を向いて座ると、その子は声を上げて泣いた。

¹⁷神はその子の声を聞かれ、神の使いは天からハガルを呼んで言った。「ハガル。どうした。恐れることはない。神様はあそこにいる子供の声をお聞きになられた。

¹⁸さあ、立って行きなさい。子供を励ましてやりなさい。あの子の子孫は、大きな国民になる。」

¹⁹神は、目先のことだけで一杯で、何も目に入らなかったハガルに気付かせられたので、彼女はそこに井戸があるのに気付いた。彼女は水筒を持って行って、それに水を一杯入れ、子供に飲ませた。

²⁰その子は、神の恵みによって成長し、荒野に住んで、弓矢の名人になった。

²¹彼はパランの荒野に住み、母は彼の嫁をエジプトから迎えた。

²²そのころ、アビメレクはその軍司令官ピコルを伴い、アブラハムの所へ来て言った。「その方は何をしても神が共におられて、祝福されていることがよく分った。

²³それで、その方が今後決して余や余の子孫を欺かないということを、神様に誓っていただきたい。余がその方に好意を示したと同じように、その方も余に対してそうしてもらいたいと思っている。」

²⁴アブラハムは、「お誓いいたします」と答えた。

²⁵ところが、その時、アブラハムは、アビメレクの家来の者たちが奪い取った井戸のことで、抗議した。

²⁶すると、アビメレクはそれに答えて、こう言った。「そんなことがあったとは初耳だ。だれがしたのか余の全く知らぬことだ。」

²⁷そこで、アブラハムは羊と牛をアビメレクに贈り、二人はそこで友好同盟を結んだ。

²⁸アブラハムが雌の子羊七頭を別にしておいたところ、

²⁹アビメレクはこれを見て、「この雌の子羊七頭が別になっているのは、どういうことか」と聞いた。

³⁰アブラハムは答えた。「この井戸が私のものであることのあかしとして、これをあなたに差し上げたいと思っております。」

³¹こうしたことから、ここをベエル・シェバと呼ぶようになった。ベエル・シェバとは誓いの井戸という意味であり、そこで二人が誓ったからである。

³²こうして、彼らはベエル・シェバで友好同盟を結び、アビメレクと司令官ピコルはペリシテ人の地に帰って行った。

³³アブラハムはベエル・シェバに一本の柳の木を植え、そこで永遠の神である主を礼拝した。

³⁴アブラハムは、かなり長い間ペリシテ人の地に滞在していた。