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列王記1 19 - 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 bible

列王記1 19

¹アハブ王は、エリヤが今までにしたこと、特にバアルの預言者と競って勝ち、彼らを皆殺しにしたことを、すべて王妃イゼベルに話した。

²それを聞いたイゼベルは、使いの者をエリヤの所に遣わし、警告した。「私は、明日の今ごろまでに、あなたをあの預言者たちと同じように殺します。これは、神掛けて誓って言うのです。」

³エリヤはこれを聞くと、大変恐れ、命が惜しくなって逃げ出した。そして、ユダのベエル・シェバまで来た時、従者の青年をそこに残し、

⁴自分一人で荒野へ入って行き、一日中歩き続け、とうとう、えにしだの木の下に座り込み、死ぬことを願って、神に祈った。「主よ。もう結構です。私の命を取ってください。私は先祖と同様、弱い者に過ぎません。」

⁵疲れの余り、えにしだの木の下で横になり、眠っていると、一人の御使いが彼に触って、こう言った。「起きて、食べなさい。」

⁶彼が起きて見ると、頭の近くに、焼け石で焼いたパン菓子一個と、水の入ったつぼがあった。彼はそれを食べ、また飲んで、横になった。

⁷それから、主の使いがまた戻って来て、彼に触って、こう言った。「起きて、食べなさい。あなたが行くべき所はまだまだ遠いのです。」

⁸彼は起きて、食べ、また飲んだ。これで元気づき、長い間歩いて、モーセが十戒を与えられた、あの神の山ホレブにたどり着いた。

⁹彼は、そこにあるほら穴に入り、そこで一夜を過した。すると、主は彼にお語りになった。「エリヤ。ここで何をしているのか。」

¹⁰エリヤは答えた。「私はすべてのものの主である神様に熱心に仕えてきました。しかし、イスラエルの民は、あなたの御言葉を捨て、あなたの祭壇を壊し、あなたの預言者たちを刀で殺しました。残ったのは私一人だけですが、彼らは私をも殺そうとしています。」

¹¹主は仰せられた。「外に出て、山の上で、わたしの前に立ちなさい。」するとその時、主がそこを通り過ぎて行かれた。主の前に、激しい大風が吹き、山や岩が崩れた。しかし、風の中に主はおられなかった。風の後に地震が起ったが、地震の中にも主はおられなかった。

¹²地震の後に火が燃えたが、火の中にも主はおられなかった。火が燃えた後、ささやくような優しい御声があった。

¹³これを聞くと、エリヤはすぐ外套で顔を隠し、外に出て、ほら穴の入口の所に立った。すると、御声が聞えてきて、こう言った。「エリヤ。ここで何をしているのか。」

¹⁴エリヤは答えた。「私は、すべてのものの主である神様に熱心に仕えてきました。しかし、イスラエルの民は、あなたの御言葉を捨て、あなたの祭壇を壊し、あなたの預言者たちを刀で殺しました。残ったのは私一人だけですが、彼らは私をも殺そうとしています。」

¹⁵主は彼に仰せられた。「さあ、ダマスコへ行く荒野の道へ引き返しなさい。そこに行って、ハザエルに任職の油を注いで、シリヤの王としなさい。

¹⁶また、ニムシの子エフーに任職の油を注いで、イスラエルの王としなさい。また、アベル・メホラの出身であるシャファテの子エリシャに任職の油を注いで、あなたに代る預言者としなさい。

¹⁷この三人が立てられるのは、イスラエル王国を裁くためであり、ハザエルの手から逃れる者は、エフーが殺し、エフーの手から逃れる者は、エリシャが神の裁きによって殺す。

¹⁸それだけではない。わたしはイスラエルの中に、バアル礼拝をしなかった者を七千人残しておく。」

¹⁹エリヤはそこを発って行くと、シャファテの子エリシャに会った。その時、エリシャは十二くびきの牛で畑を耕しており、最後の十二番目のくびきのそばにいた。エリヤが彼の近くを通り過ぎながら、自分の外套を彼に掛けたので、

²⁰エリシャは牛をそのままにし、エリヤの後を追い掛けて来て、こう言った。「両親に別れのあいさつをさせてください。そうしたら、お伴をさせていただきます。」エリヤは、「行って来なさい。しかし、預言者に任じられたことを忘れぬように」と言った。

²¹エリシャは引き返して来ると、一くびきの牛を取り、それを殺し、牛の用具でその肉の料理を作り、家族の者たちにそれを与えて、食べさせた。それから、エリヤに付いて行き、彼に仕えた。