Read 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 列王記1 2 Bible Online

列王記1 2 - 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 bible

列王記1 2

³主である神様の教えを守り、モーセの律法にある戒めの一つ一つを守って、主の御心に従うことだ。そうすれば、どこで、どのようなことをしても、祝福を受けることができる。

⁴主は、余に対してお語りになった御約束、『子孫たちが御心に従い、心を尽し、思いを尽し、誠実に信仰生活をするなら、ダビデ王朝は断絶することがない』を必ず果してくださる。

⁵また、よく聞いておくがよい。ツェルヤの子ヨアブがイスラエルの二人の将軍であるネルの子アブネルとエテルの子アマサを殺したことは、知っておろう。ヨアブが彼ら二人を殺したのは、戦いの最中ではなく、平和な時だった。こうして、ヨアブは軍人としての威厳を汚した。

⁶そこで、彼を何らかの形で処分しなければならぬ。その仕方については、よく考えてするがよい。

⁷しかし、ギルアデ人バルジライの子供たちは優遇してやり、王の食卓で食事をさせてやるがよい。余がアブシャロムの難から逃れた時、余を親身になって世話してくれた。

⁸また、バフリム出身のベニヤミン人ゲラの子シムイがいる。あの男は、余がマハナイムに行った時、余を口汚なくののしった。しかし、余がヨルダン川の所まで帰って来ると、前非を悔いて、余を出迎えに来た。そこで、余は命だけは助けてやったが、

⁹新しい治世になった時、あの男は危険人物と見なければならぬ。そこで、あの男を何らかの形で処分せねばならぬのだが、その仕方については、よく考えてするがよい。」

¹⁰こうして、ダビデは死に、ダビデの町エルサレムに葬られた。

¹¹ダビデがイスラエルの王として治めた年月は四十年であった。ヘブロンで七年治め、後エルサレムで三十三年治めた。

¹²ソロモンは父ダビデの王位を継ぎ、王国は確立した。

¹³ある日、ハギテの子アドニヤがソロモン王の母バテ・シェバにお目通りを願い出た。バテ・シェバが、「厄介なことで来たわけではないでしょうね」と言うと、「いいえ、そうではありません」と答えた。

¹⁴そして、「折入ってお願いしたいことがございます」と言うので、「何でも言ってご覧なさい」と答えると、

¹⁵彼は話し始めた。「ご存じのように、王位を継ぐのは、順序から言えば私で、イスラエルの民もそう思っていました。それなのに、弟が王位を継いでしまいました。今さら恨みがましいことを言おうとは思いません。これは、主がそうなさったからです。

¹⁶そこで、一つお願いがございます。

¹⁷ソロモン王にお願いしていただきたいのです。あなた様からおっしゃっていただきましたら、王はきっとかなえてくださると思います。実は、シュネム人アビシャグを妻に欲しいのです。」

¹⁸バテ・シェバは、「よろしい。私から王に話してあげましょう」と言って引き受けた。

¹⁹バテ・シェバは、アドニヤの一件を話すため、ソロモン王の所に行った。王は、わざわざ王座から下り、母を丁重に迎え、また王座に戻った。そして、母のために特別の座を設けさせたので、彼女は王の右に座った。

²⁰彼女はおもむろに切り出した。「つまらぬことですが、一つお願いがあります。ぜひ聞き届けてください。」王が、「母上が言われるものを、どうして断ることなどできましょうか。どうぞおっしゃってください」と言うので、彼女は話した。

²¹「シュネム人アビシャグがあなたの兄アドニヤの妻として結婚するのを許してあげてほしいのです。」

²²ソロモン王はこれを聞くと、驚いた。「どうしてそんなことを願い出られるのですか。アドニヤは兄なのですから、シュネム人アビシャグと結婚することなどを求めるよりも、もっと率直に王位を求めた方がよいのではありませんか。それが彼の本心だと思いますし、祭司エブヤタルやツェルヤの子ヨアブの本心だと思うのですがね。」

²³そして、ソロモン王は主に誓って言った。「アドニヤがこのようなことを申し出たからには、神様の裁きを受けなければなりません。

²⁴私を父ダビデの王位に着かせてくださったのは、主であり、主は生きておられます。アドニヤは今日殺されなければなりません。」

²⁵こうして、ソロモン王は、エホヤダの子ベナヤを送って、アドニヤを処刑した。

²⁶それから、王は祭司エブヤタルに命じた。「アナトテの自分の家に帰れ。その方も死に当る者だが、今日は処刑しない。その方は、父ダビデに仕え、主である神様の十戒の箱を担ぎ、いつも父と苦難を共にして来たからだ。」

²⁷こうして、ソロモンはエブヤタルを主の祭司の職から罷免した。シロでエリの子孫について語られた預言が、このようにして成就した。

²⁸この知らせがヨアブの所に伝えられると、彼は主の天幕に逃げ込み、祭壇の角にしがみついた。彼は、アブシャロムの反乱には加わらなかったが、アドニヤの反乱には手を貸した人物である。

²⁹ヨアブが主の天幕に逃げ込み、祭壇のかたわらにいるという知らせが、ソロモン王に届くと、ソロモン王は、エホヤダの子ベナヤに、「彼を処刑せよ」と命じて、遣わした。

³⁰そこで、ベナヤは主の天幕に入り、彼に王の命令を伝え、「外へ出ろ」と言ったが、彼は、「嫌だ。ここで死ぬ」と言ってきかなかった。ベナヤは仕方なく、王にそのことを報告した。

³¹そこで王は、このように命じた。「それでは、彼の言う通り、そこで処刑しなさい。こうして、ヨアブが正当な理由なしに犯した殺人の罪を、余と父の家から取り除く。

³²主は、ヨアブが犯した殺人の罪の罰を彼に報いられる。彼は無実の二人の人を殺した。それは、イスラエルの総司令官アブネルと、エテルの子で、ユダの総司令官アマサである。

³³その罪の責任は、ヨアブとその子孫が負わなければならぬ。ダビデ王とその子孫には責任が無く、その王座は揺ぎなきものとなるように。」

³⁴エホヤダの子ベナヤは行って、ヨアブを処刑し、荒野にある彼の家の近くに葬った。

³⁵王は、エホヤダの子ベナヤを最高司令官とし、ツァドクをエブヤタルに代る祭司として任命した。

³⁶王は、さらにシムイを呼び寄せ、こう言い渡した。「その方はエルサレムに家を建てて、そこに住むことを許す。ただし町の外へ出ることはならぬ。

³⁷もし町から出て、キデロン川を渡ることがあれば、殺されることを覚悟するがよい。その責任は自分自身にあるものと思え。」

³⁸シムイは王に誓って答えた。「よろしゅうございます。しもべは王様のおっしゃる通りにいたします。」シムイは言われた通り、かなりの間エルサレムに住んだ、

³⁹ところが、それから三年後、シムイの二人の奴隷が、ガテの王マアカの子アキシュの下へ逃亡した。その知らせを受けると、

⁴⁰シムイはすぐ、ろばに乗り、奴隷たちを捜しに、ガテのアキシュの所へ行った。こうして、逃亡した奴隷を連れ戻して来た。

⁴¹ところが、シムイがエルサレムから出て、ガテに行って来たことは、すぐソロモン王に伝えられた。

⁴²すると、ソロモン王は人をやり、シムイを呼び出して、問いただした。「余はその方に対し、主に誓って警告をしておいたはずだ。『もしその方がこの町から出て行くことがあれば、殺されることを覚悟するがよい。』その方は、その時、『よろしゅうございます。その通りにいたします』と誓ったはずだ。

⁴³それにもかかわらず、その方は、なぜ主に対する誓いを破り、余の命令に背いたのか。」

⁴⁴さらに続けて言った。「その方が父君ダビデ王にした悪事については、自分でよく知っておろう。主はその悪に対して、今その方に報いをなさるはずだ。

⁴⁵ただし、主はこのソロモン王を祝福され、その王位を永続される。」

⁴⁶王は、エホヤダの子ベナヤに命じたので、彼はシムイを処刑した。こうして、ソロモンの治世は不動のものとなった。