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歴代誌2 9 - 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 bible

歴代誌2 9

¹シェバの女王は、ソロモン王の名声を聞き、ソロモン王の知恵を試そうとして、大勢の従者を連れ、らくだに香油と、沢山の金、宝石を載せて、エルサレムにやって来た。ソロモン王の下に来ると、聞こうと思っていたことを、すべて質問した。

²それに対して、ソロモン王はそのすべてに答えを与えた。質問されたことで答えられなかったものは一つも無かった。

³シェバの女王は、ソロモン王の知恵の偉大さを知り、また、王の宮殿の見事なこと、

⁴その食卓に並べられた料理のすばらしさ、また、列座の家来や従者たちが仕えている態度や服装、その給仕をする者たち、および主の神殿でささげた、完全に焼き尽すいけにえを見て、気を失うほど驚いてしまった。

⁵女王は、ソロモン王にこう告白した。「私は、国で王様のなさったご事業とすばらしい知恵について聞いておりましたが、ここに来て、それが本当であることが分りました。

⁶実のところ、この目で見るまでは信じてはおりませんでしたが、ここに来て驚いたことに、私が聞いていたことは、実際の半分にも足りなかったようです。王様の知恵は、私が聞いていたどころではありませんでした。

⁷ああ、なんと幸いなことでしょう、この国の人々や王様の知恵をいつも耳にできるご家来たち。

⁸王様を祝福し、王座に着くようにされた主である神様は、ほめたたえられるべきお方。神様はとこしえにイスラエルを愛しておられるので、王様が正義と公平の政治を行うようにさせておられます。」

⁹女王は、四・五トンの金と、非常に多くの香油と宝石をソロモン王に贈った。シェバの女王がこの時ソロモン王に贈ったほどのすばらしい香油は無かった。

¹⁰オフィルから金を積んで来たヒラム王とソロモン王の乗組員たちは、びゃくだんの木と宝石をもオフィルから運んで来た。

¹¹王はこのびゃくだんの木を使って神殿と宮殿の階段を作り、また、聖歌隊用の立琴と十弦の琴を作った。このようなびゃくだんの木は、これまでユダの地では見たことがなかった。

¹²ソロモン王は、シェバの女王が持って来た品物以外の物を女王に贈物としたが、それ以外にも、彼女の望む物は何でも与えた。こうして、女王は従者たちと共に自分の国へ帰って行った。

¹³一年間にソロモン王の所に入って来た金は、二十五トンであった。

¹⁴そのほか、貿易で得た利益や税収、およびアラビヤの王たちや総督たちから入って来た物もあった。

¹⁵ソロモン王は、それぞれ三・五キログラムある金の大盾を二百作り、

¹⁶また、それぞれ一・七キログラムある金の盾を三百作り、それらを宮殿の「レバノンの森の間」に置いた。

¹⁷王は、大きな象牙で王座を作り、これに純金をかぶせた。

¹⁸その王座には六段の階段があり、王座には金の足台が取り付けられており、座席の両側にひじ掛けがあり、そのひじ掛けのわきには二頭の雄のライオンが立っている彫刻があった。

¹⁹また、六段の階段の両側には、十二頭の雄のライオンが立っている彫刻があった。それは実に珍しい彫刻であった。

²⁰ソロモン王が飲み物のために使う用器は皆純金製であった。「レバノンの森の間」にある用器もすべて純金製で、銀製のものは無かった。銀製のものは、ソロモンの時代においては、全く価値が認められていなかった。

²¹ソロモン王は、ヒラム王の船団のほか、タルシシュ王の船団もその支配下に置いており、三年に一度タルシシュ王の船団は、金、銀、象牙、猿、くじゃくを運んで来た。

²²ソロモン王は、その富と知恵において、どの国の王よりも優れていた。

²³そのため、世界中の王がソロモン王の心にお授けになった神の知恵を聞こうとして、ソロモン王に謁見を求めた。

²⁴謁見を求めて来る人々は、それぞれ贈物として、金、銀の器、衣服、武器、香油、馬、騾馬などを、毎年必ず持って来た。

²⁵ソロモン王は、戦車用の馬のための馬小屋を四千と、騎兵一万二千人を持っていた。王はこれを戦車の町々や王の下に配置した。

²⁶ソロモン王はユーフラテス川から地中海沿岸の町々、さらには、エジプトの国境に至るまでの全地域を支配した。

²⁷王は、銀や杉の木を湯水のように使った。

²⁸人々は馬をエジプトやその他の国からソロモン王の所に運んで来た。

²⁹ソロモン王のその他の業績については、「預言者ナタンの言行録」、「シロ人アヒヤの預言書」、「預言者イドが見たネバテの子ヤロブアムについての幻の記録」に記されている。

³⁰ソロモン王は、エルサレムで四十年間全イスラエルを治めた。

³¹ソロモン王は死んで、エルサレムの王室墓地に葬られた。そして、その子レハブアムが代って王となった。