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エステル記 3 - 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 bible

エステル記 3

¹この事件があってから、アハシュエロス王は、アガグ人ハメダタの子ハマンを信任し、彼を取り立てて、あらゆる高官の上に置き、国務長官とした。

²それで、王の門を守る門衛たちは皆、ハマンに対して最敬礼をした。それは王の命令でもあった。しかし、モルデカイは、そのような礼拝と間違える行為は取らなかった。

³門衛たちは、モルデカイに、「どうして王の命令に従わないのか」と問いただした。

⁴彼らは毎日そう言って責め立てたが、モルデカイが取り合わなかったので、このことをハマンに告げた。モルデカイは自分がユダヤ人であることを彼らには打ち明けていたので、なおさらであった。

⁵ハマンは、モルデカイが自分に対して最敬礼をしないのを見て、大変憤慨した。

⁶ところが、ハマンはモルデカイだけを処分することでは満足せず、帝国内の全ユダヤ人を抹殺しようと考えた。

⁷アハシュエロス王の治世第十二年の一月に(今日の三、四月に当る)、それを決行する日を決めようとして、さいころを振ったところ、十二月(今日の二、三月に当る)と決まった。

⁸ハマンは王に申し出た。「この帝国内には、どの州にも入り込んでいる一つの民族がおります。彼らは自分たちの法律を持っていて、陛下のご命令には従おうとしません。このままにしておきますと、陛下のおためにはならないと存じます。

⁹陛下がよろしければ、彼らを皆殺しにするようにご命令ください。必要な費用につきましては、銀三百七十五トンを私が出し、国庫に納めさせていただきます。」

¹⁰そこで、王はその公文書に王印を押させるため、自分の手から指輪を外し、アガグ人ハメダタの子で、ユダヤ人の敵であるハマンに渡した。

¹¹そして、王はハマンに言った。「銀はその方が出すには及ばない。その民族もその方の自由にしてよいぞ。」

¹²そこで、一月十三日に(今日の四、五月に当る)、王の書記官が召集され、ハマンが総督や州知事や役人たちに命じたことが、それぞれの州ごとに使われる言葉で記され、アハシュエロス王の印が押された。

¹³その文書は急使によって全州に送られた。それには、十二月十三日に(今日の三、四月に当る)、ユダヤ人を全員殺害し、彼らの家財を奪うようにと記されていた。

¹⁴各州に法令として発布される文書の写しが、この日の準備のために、すべての民族に公示された。

¹⁵急使は王命を受け、急いで出発した。この法令は、シュシャンの城でも発布された。その時、王とハマンは酒を酌み交していたが、シュシャンの町は大混乱に陥った。