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エステル記 4 - 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 bible

エステル記 4

¹モルデカイは、このことを知った時、悲しみの余り服を裂き、荒布を着、灰をかぶり大声で叫びながら町の真中に出て行き、

²王の門の所まで来た。そのような格好で王の門に入ることはできなかったので、そこで止った。

³王の布告が届くと、どの州でもユダヤ人は大きな悲しみに包まれ、断食をし、多くの者は荒布を着て、灰の上に座った。

⁴その時、エステルの侍女や宦官がエステルの所に来て、このことを告げたので、王妃はひどく悲しみ、モルデカイに服を送り、荒布を脱いで、それを着るようにと言ったが、彼はそれを受け取らなかった。

⁵そこで、エステルは自分に仕えている宦官のハタクを呼んで、モルデカイの所に行き、事情を聞いて来るようにと言い付けた。

⁶それで、ハタクは、王の門の前の広場にいるモルデカイの所に行った。

⁷モルデカイは、自分の身に起ったことをすべて彼に話し、ハマンがユダヤ人を皆殺しにするために、国庫に納めると言ったお金のことまで話した。

⁸モルデカイはまた、ユダヤ人を皆殺しにするためにシュシャンで発布された文書の写しをハタクに渡し、それをエステルに渡すようにと言い、また、彼女が王の所に行って、ユダヤ人を救うために、王に助命の嘆願をしてほしいと頼んだ。

⁹ハタクは帰ると、モルデカイの伝言をエステルに伝えた。

¹⁰すると、エステルはハタクを遣わして、モルデカイに伝言させた。

¹¹「王の家臣でも、だれでも、お召しが無いのに勝手に陛下の所へ行くなら、死刑に処せられるという法律がございます。しかし、その際でも、陛下が金の王笏を差し伸しさえすれば、死なないでも済みます。私はこの一か月というもの、まだ陛下からお召しがございません。」

¹²ハタクがモルデカイにエステルの言葉を伝えると、

¹³モルデカイはエステルに返事を書いた。「あなたはほかのユダヤ人と違って、王宮にいるので、安心だと考えるべきではありません。

¹⁴もし、あなたがこのような時に黙っていて何もしないなら、きっと別の所から神の救いがユダヤ人のためになされるでしょう。しかし、あなたもその一家も滅ぼされてしまいます。あなたがこの国の王妃となったのは、このためではなかったでしょうか。」

¹⁵エステルはモルデカイに答えた。

¹⁶「どうかシュシャンにいるユダヤ人を全部集め、私のために断食をして祈ってください。三日三晩、断食をして祈ってください。私も侍女たちと一緒にそうします。たとい法律に背いても、私は王の所に参ります。死ななければならないのなら、私は死にます。」

¹⁷そこで、モルデカイは出て行って、エステルが彼に命じた通りにした。