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エステル記 5 - 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 bible

エステル記 5

¹こうして三日後、エステルは王妃の正装をして、王室の正面にある王宮の内庭に立った。王は玉座に座っていた。

²王が庭に立っている王妃エステルの姿を見ると、王は手に持っていた金の王笏をエステルの方に差し伸した。そこで、エステルは近寄り、その王笏の先に触った。

³王は彼女に言った。「どうしたエステル。何か欲しい物でもあるのか。何なりと言うがよい。王国の半分でも、欲しければ、そなたにやってもよいのだ。」

⁴エステルは答えた。「陛下さえよろしければ、今日私が陛下のために設けます宴会にハマン長官とご一緒にご臨席いただきとうございます。」

⁵王は、「ハマン共々臨席するぞ」と言い、ハマンと一緒にエステルの設けた宴会に出た。

⁶その席上、王はエステルに尋ねた。「そなたは何が欲しいのだ。欲しければ、王国の半分でも、やってよいのだぞ。」

⁷エステルは答えた。「私が望んでおりますことは、

⁸陛下さえよろしければ、私が明日設けます宴会に、ハマン長官とご一緒に、もう一度ご臨席いただきたいということでございます。そうすれば、私は明日私の願いを陛下に申し上げましょう。」

⁹ハマンはその日、大喜びで帰って行った。ところが、ハマンは王の門の所でモルデカイが立ち上がることもせず、自分を恐れている様子が見えないのを見て、モルデカイに対する怒りに燃えた。

¹⁰しかし、ハマンはその怒りを押えて帰宅し、友達と妻ゼレシュを呼び集め、

¹¹自分の財産のことや、子供たちのこと、王の信任の厚いこと、自分の異例の出世などについて自慢話をした。

¹²そして、こうも言った。「王妃エステル様の設けた宴会には、陛下と私以外だれもいなかった。明日も私は陛下とご一緒に王妃様の宴会に招かれている。

¹³ところが、一つ嫌なことがある。王様の門の所に来ると、あのユダヤ人モルデカイの傲岸不遜な顔を見なければならぬ。これが不愉快でならんのだ。」

¹⁴すると、妻のゼレシュと友達は皆、こう言った。「高さ二十五メートルの木にモルデカイを掛けるように陛下にお願いして、それから陛下とご一緒にその宴会にいらしたらよいでしょう。」この進言をハマンは受け入れ、木の柱を立てさせた。