Read 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 エステル記 7 Bible Online

エステル記 7 - 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 bible

エステル記 7

¹王とハマンは王妃の設けた宴会に出た。

²この宴会でも、王はエステルに尋ねた。「何か欲しい物があるなら、言うがよい。王国の半分でも、やってよいぞ。」

³王妃エステルは答えた。「陛下さえよろしければ、私の願いを聞き入れてくださり、私の命を助け、私の同族の命をお助けいただきとうございます。

⁴私も同族の者も皆殺しにされてしまいます。売られて奴隷になるのでしたらまだしも、このようなことが起りましたら、陛下の損失は大変なものになってしまいます。」

⁵アハシュエロス王は王妃エステルに尋ねた。「そんなことをしようとたくらんでいる者は、一体だれだ。どこにいるのか。」

⁶エステルは答えた。「その張本人は、この悪人ハマンでございます。」ハマンは王と王妃の前で震え上がった。

⁷王は憤り、その席を立って、宮殿の庭に出て行った。ハマンは王妃エステルに命乞いをしようとして、そこに居残った。王が彼に対して処刑を決意したことが分ったからである。

⁸王が宮殿の庭から宴会の広間に戻って来ると、エステルの座っていた長椅子の上にハマンがひれ伏していたので、王は彼に言った。「朕の前で、王妃に乱暴を働く気か。」この言葉が王の口から出ると、ハマンに死刑が宣告された。

⁹その時、王の所に宦官ハルボナが来て、こう言った。「陛下に良い知らせを持って来たモルデカイを掛けようとして、ハマンが用意いたしました高さ二十五メートルの柱がハマンの家の前に立っております。」すると、王は命じた。「彼をそれに掛けよ。」

¹⁰こうして、ハマンはモルデカイのために用意しておいた柱に掛けられた。王の憤りはこれで収まった。