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エステル記 9 - 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 bible

エステル記 9

¹十二月十三日に、王の勅命が実施されると、ユダヤ人を征服しようと待ち構えていた者たちは、今度は逆にユダヤ人に征服されるはめに陥った。

²その日、ユダヤ人たちが自分たちを襲う者たちを、逆に制圧しようとして集結した時、ユダヤ人に逆らう者たちは一人もいなかった。だれでも皆ユダヤ人を恐れていたからである。

³どの州でも、総督、州知事、高官たちは皆、ユダヤ人を助けた。彼らは、モルデカイを恐れていた。

⁴モルデカイはそのころ王宮で勢力を持ち、その名声は全州に広がり、日の出の勢いであった。

⁵ユダヤ人は自分たちに敵する者たちを自由に処分することができた。

⁶ユダヤ人は、シュシャンの城においても、五百人を処刑し、

⁷また、パルシャヌダタ、ダルフォン、アスパタ、

⁸ポラタ、アダルヤ、アリダタ、

⁹パルマシュタ、アリサイ、アリダイ、ワイザタの十人、

¹⁰つまりハメダタの子で、ユダヤ人を迫害したハマンの子十人を処刑した。しかし、彼らの財産には手を出さなかった。

¹¹その日、シュシャンの城で処刑された者の数が王に報告されると、

¹²王は王妃エステルに尋ねた。「ユダヤ人は、シュシャンの城で、五百人とハマンの子十人を処刑した。ほかの州ではどうであったか。そなたの望んでいるものがあれば、何なりと申してみよ。かなえてやる。」

¹³エステルは答えた。「陛下さえよろしければ、明日もシュシャンにいるユダヤ人に、今日の法令通りにすることをお許しください。また、ハマンの子を木に掛けることをお許しください。」

¹⁴そこで、王がそのことを命じると、法令がシュシャンで布告され、ハマンの十人の子は木に掛けられた。

¹⁵シュシャンにいるユダヤ人は、十二月十四日にも集まって、シュシャンで反ユダヤ人分子三百人を処刑したが、その財産には手を出さなかった。

¹⁶帝国の全州にいるユダヤ人も団結して、自分たちの命を守り、彼らの敵を取り除いて、平穏な生活をすることができた。彼らが処刑した者たちは、七万五千人であったが、その財産には手を出さなかった。

¹⁷これは、十二月十三日のことであり、その翌十四日には彼らは祝日として休み、祝宴をあげた。

¹⁸しかし、シュシャンにいるユダヤ人は、十三日も十四日も集まり、十五日を祝日として休み、祝宴をあげた。

¹⁹したがって、地方の町々に住むユダヤ人は、十二月十四日を祝日として、祝宴をあげる日とした。

²⁰モルデカイは、これらの出来事すべてを記録し、全州のユダヤ人にその文書を送った。

²¹それは、ユダヤ人が毎年十二月十四日と十五日を(今日の三、四月に当る)、

²²自分たちの敵に打ち勝って平安を得た日、つまり悲しみが喜びに変えられた日として、祝宴をあげ、互いにごちそうをし、貧しい人々に施しをする日に定めたことについてであった。

²³ユダヤ人は、すでに守り始めていることを、モルデカイが書いた文書通りに実行した。

²⁴アガグ人ハメダタの子で、全ユダヤ人の迫害者ハマンが、ユダヤ人を絶滅しようとして、さいころを投げたことなどが、

²⁵王の耳に入ると、王は勅令を出して、ハマンの奸計を覆し、かえってハマンとその子たちを彼の作った木に掛けてしまった。

²⁶こういうわけで、ユダヤ人はハマンが投げたさいころ、プルの名前を取って、この日をプリムと呼んだ。モルデカイの書いた文書により、また、彼らが現にその目で見たことによって、

²⁷ユダヤ人はこの時以来ずっとこの二日を祝日として祝い続けるべきことを決めた。

²⁸このプリムの祭はユダヤ人のいる所どこででも、末長く祝われるべきことを確認した。

²⁹アビハイルの娘である王妃エステルとモルデカイは、権威をもってプリムについての文書を書き、それを確認した。

³⁰この文書は、アハシュエロス王の帝国百二十七州にいる全ユダヤ人に、平和と真実の言葉によって書き記され、送られた。

³¹ユダヤ人モルデカイと王妃エステルがユダヤ人に命じた通り、また、ユダヤ人が自分たちと子孫のために断食と悲しみについて定めた通り、プリムの祭を祝うようにした。

³²エステルの命令によって、このプリムの祭は確定し、文書として記された。