Read 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 マタイによるイエス・キリストの福音 6 Bible Online

マタイによるイエス・キリストの福音 6 - 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 bible

マタイによるイエス・キリストの福音 6

¹人に見てもらおうとして、人の前で善行をしないように気を付けなさい。そうでないと、天のお父様からは、本当の報いを受けることはできません。以下、この善行について対人関係のものの中から施しを、対神関係のものの中から祈りを、対自関係のものの中から断食を例に挙げて、説明しましょう。

²施しをする時には、偽善者たちのように、会堂や街の中で人によく見せようとして、自己宣伝をしてはいけません。確かに、彼らは人々に褒められた時、もうすでに報いを受けてしまっています。

³あなたは、施しをする時には、人に見せようとしてするのではいけません。

⁴あなたのする施しが、人の目を当てにしているのでなければ、必ずすべてのことを見通しておられる天のお父様から、本当の報いを頂くことができます。

⁵また、祈る時には、偽善者たちのようであってはいけません。彼らは、人に見てもらいたくて、会堂や人の目に付く大通りの四つ角に立って祈るのが大好きです。けれども、確かに、彼らは人々が見てくれていたことによって、もうすでに報いを受けてしまっています。

⁶あなたは、人に見せるような祈りではなく、天のお父様と交わるために、それができる場所を選びなさい。そうすれば、その祈りは必ず聞かれます。

⁷また祈る時には、生きておられる本当の神様を知らない異教徒たちがしているように、同じ言葉を、ただ繰り返してはいけません。彼らはそうすれば聞かれると思っています。

⁸しかし、あなたがたの天のお父様は、あなたがたが何を必要としているかということを、あなたがたが祈る前からご存じです。ですから、意味の無いことを、ただ繰り返す必要など全くありません。

⁹むしろ、あなたがたはこう祈りなさい。『天にいらっしゃる私たちのお父様。あなたのお名前があがめられますように。

¹⁰あなたの御国が来ますように。あなたの御心が天で行われるように、地上でも行われますように。

¹¹私たちに毎日必要なものを、今日もお与えください。

¹²私たちに負い目のある人々を、私たちが赦しましたように、私たちの負い目も赦してください。

¹³私たちを誘惑に遭わせず悪魔から救い出してください。御国と力と栄光は、いつまでもあなたのものです。アーメン。』

¹⁴もしほかの人の罪を赦してあげるなら、天のお父様もあなたがたの罪を赦してくださいます。

¹⁵しかし、ほかの人を赦してあげないような冷たい心の人を、どうして天のお父様が赦してくださるでしょう。

¹⁶また、断食をする時には、偽善者たちのように暗い顔つきをしてはいけません。彼らは、人に見てもらいたくて、自分の顔を悲痛にして断食をします。けれども、確かに、彼らは人々が見てくれていたことによって、もうすでに報いを受けてしまっています。

¹⁷あなたは、人に見せるような断食ではなく、祈りに心を集中するために断食をするのですから、いつもと同じようにしたらよいでしょう。

¹⁸そうすれば、人に見せるための断食ではなく、すべてのことを見通しておられる天のお父様に、あなたの心を見ていただくことができます。そうすれば、天のお父様から、本当の報いを頂くことができます。

¹⁹自分のために、宝を地上に蓄えてはいけません。そんなことをすれば、必ず虫やさびが付いてしまい、また、泥棒に取られてしまいます。

²⁰むしろ、自分のために、宝を天に蓄えなさい。そうすれば、その宝はいつまでも残ります。

²¹あなたの宝のある所には、あなたの心もあるのです。

²²体の明りは目です。それで、もしあなたの目が澄んでいて、困っている人を見た時、すぐに恵んでやれるほど健全であるなら、あなたの全身は明るいのですが、

²³もし目が悪く、困っている人を見ても、あわれみの心を閉じるようであれば、あなたの全身は真暗です。その暗さは、どれほどひどいものでしょうか。

²⁴だれも二人の主人に同時に仕えることはできません。一方を憎んで他方を愛したり、一方を重んじて他方を軽んじたりするからです。あなたがたは、神様と富とに同時に仕えることはできません。

²⁵ですから、よく聞いておいてください。あなたがたは、何を食べようか、何を飲もうかと、自分の命のことを心配したり、また何を着ようかと、自分の体のことを心配してはいけません。命は食べ物よりもはるかに大切ですし、体は着る物よりもはるかに大切なのではありませんか。

²⁶空の鳥を見なさい。種を蒔くこともしないし、刈り入れも、倉に納めることもしません。それなのに、天にいらっしゃるあなたがたのお父様はそれを養っておられるでしょう。あなたがたは、鳥よりもはるかにすばらしいものなのではありませんか。

²⁷あなたがたの中で、だれが心配したからと言って、自分の寿命を少しでも延ばすことができますか。

²⁸どうして着る物のことなどを心配するのですか。野の花がどのようにして育つのか、考えてみなさい。働きもしないし、自分のために服を作りもしません。

²⁹そして、確かに栄華を窮めたソロモンでさえ、この一つの花ほど美しい服を持っていたとは言えません。

³⁰今日は咲いていても、明日は炉に投げ込まれてしまう野の草でさえ、神様はこれほど美しい装いをお与えになっておられるのですから、まして、人間であるあなたがたに、それ以上のことをしてくださらないわけがあるでしょうか。ああ、なんと小さな信仰なのか。

³¹ですから、何を食べようか、何を飲もうか、何を着ようか、などと言って、心配するのはやめなさい。

³²こういうものは皆、神様を知らない人たちが一生懸命に求めているものです。けれども、天にいらっしゃるあなたがたのお父様は、衣食住があなたがたに必要なことぐらいはよくご存じです。

³³ですから、神様の事を、いつも第一にしなさい。そうすれば、衣食住は、天にいらっしゃるお父様が必ず面倒を見てくださいます。

³⁴こういうわけで、明日のことを心配する必要はありません。いつでもその日その日を精一杯生きればよいのです。