Read 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 ルカによるイエス・キリストの福音 13 Bible Online

ルカによるイエス・キリストの福音 13 - 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 bible

ルカによるイエス・キリストの福音 13

¹ちょうどその時、ある人々がやって来て、ピラトがガリラヤ人たちの血を流し、それをガリラヤ人たちのささげるいけにえの血に混ぜたことを、イエスに知らせた。

²そこで、イエスは彼らに答えて言われた。「それらのガリラヤ人が、そのような災難を受けたからと言って、ほかのガリラヤ人よりも罪が深かったとでも思うのですか。

³そんなことはありません。よく聞いておきなさい。あなたがたも、悔い改めなければ、皆同じように滅びなければなりません。

⁴また、シロアムの塔が倒れた時、十八人の人がその下敷になって死んでしまいましたが、あの人たちも同じように、エルサレムに住んでいたほかの人たちより罪が深かったとでも思うのですか。

⁵そうではありません。よく聞いておきなさい。あなたがたも、悔い改めなければ、皆同じように滅びなければならないのです。」

⁶それから、イエスはまたたとえを話された。「ある人が自分のぶどう園に、いちじくの木を植えておきました。実を取りに行きましたが、何も成っていませんでした。

⁷そこで、ぶどう園の番人に言いました。『私は、三年間もやって来ては、このいちじくの実の成るのを待っているのですが、一度も成っていたことがありません。こんな木は場所ふさぎに過ぎないから、切り倒してしまいなさい。』

⁸番人は答えてこう言いました。『ご主人様。どうか、もう一年待ってください。木の周りを掘って、肥しをやってみますから。

⁹それで、来年実が成ればと思います。もしも駄目でしたら、その時はもう切り倒しても結構です。』」

¹⁰イエスが安息日に、ある会堂で教えておられると、

¹¹そこに十八年間も病気の霊に取り付かれ、腰が曲ったまま、体を全然伸すことのできない女がいた。

¹²イエスはその女を見て、呼び寄せ、「あなたの病気は治りました」と言って、

¹³手を置かれると、たちどころに、その女の腰は伸びて、神をあがめ始めた。

¹⁴それを見ていた会堂管理人は、イエスが安息日に病気を治しておやりになったことを憤り、群衆に向って言った。「働いてもよい日は一週間のうち六日間だけだ。その間に治してもらったらよい。安息日には、何もしてはいけないのだ。」

¹⁵主は彼に答えて言われた。「形式的なことばかり気にしていて、本質的なことを少しも考えようとしないあなたがたは、偽善者です。あなたがたは、たとい安息日であっても、牛やろばに水を飲ませる時には、小屋につないである縄をほどいて、水飲み場まで連れて行くではありませんか。

¹⁶牛やろばの場合でさえ、安息日でもそうしているのです。この婦人はアブラハムの子孫なのですよ。それも、十八年間も悪魔に縛り付けられていたのです。それを、安息日だと、その束縛から解いてやってはいけないのですか。」

¹⁷このように言われると、反対していた人たちは皆、恥しくなり、一方、群衆は皆、イエスのなさったすばらしい御業を見て喜んだ。

¹⁸そこで、イエスはこう言われた。「神の国は、何に似ているでしょう。何にたとえたらよいでしょう。

¹⁹それは、ちょうど一粒のからし種のようなものです。それを取って庭に蒔くと、生長していって、大きな木になり、空の鳥が枝に巣を作るほどになります。」

²⁰また、こうも言われた。「神の国を何にたとえましょう。

²¹それは、イースト菌のようなものです。女がそれを小麦粉の中に混ぜると、全体がふくらんできます。」

²²イエスは、教えながら、町々村々を通って、エルサレムへと旅を続けられた。

²³すると、ある人が、「主イエス様。救われる人は少ないのですか。あなたの弟子にならなければ救われないのでしょうか」と尋ねた。そこで、イエスは人々に言われた。

²⁴「狭い門から入るように努めなさい。事実、入ろうとしても、入れない人が多いのですから。

²⁵まず、神の国の戸が閉じてしまう前に入らなければなりません。たとえば、家の主人が立って、戸をしめてしまってから、あなたが外に立って、戸をたたき、『ご主人様。どうぞあけてください』と言っても、主人はそれに答えて、『あなたがたがどこの人なのか、私は知らない』と言うでしょう。

²⁶その時、あなたがたはこう言い始めるでしょう。『私たちは、ご一緒に食べたり飲んだりいたしましたし、あなたは私たちの大通りで教えてくださいました。私たちは、全然知らない間柄ではないはずです。』

²⁷しかし、主人はこう言うでしょう。『私は、あなたがたと全く関係がありません。悪い事をしている者たち。さあ、とっとと出て行ってくれ。』ちょうどこれと同じように、外的なことで関係を持っていると思っていても、内的本質が生れ変っていない人は、わたしとは何の関係もありません。

²⁸神の国に、アブラハムやイサクやヤコブや、すべての預言者たちが入っているのに、あなたがたは外に投げ出されるようなことになって、その時にそこで泣き叫んだり歯ぎしりしたりしても、もう遅いのです。

²⁹いいですか。神の国には、アブラハムやイサクやヤコブや預言者たちばかりでなく、多くの人々があらゆる所から集められます。

³⁰ただし、神の国においては、先の者が後になったり、後の者が先になったりすることがありますから、よく注意することです。」

³¹ちょうどその時、パリサイ派の人たちが何人か近寄って来て、イエスに言った。「ここから出て行った方がいいですよ。国主ヘロデがあなたを殺そうとしています。」

³²イエスは言われた。「行って、あの狐にこう言ってやりなさい。『わたしは、今日も、明日も、悪霊を追い出したり、病人を治したりして、救い主の業を行います。そうして、間もなく救い主の業を全うします。

³³わたしはお前に命をねらわれているかもしれませんが、わたしがエルサレムへ向って行くのは、お前に追われて行くのではなく、救い主としてエルサレムで死ぬために、今日も、明日も、またその次の日も進んで行くのです。』

³⁴ああ、エルサレム、エルサレム。預言者たちを殺し、自分に遣わされて来た者たちを石で打ち殺す者。めんどりが、そのひなを翼の下に集めるように、わたしはお前の住民を何度集めようとしたことか。それなのに、お前たちは、それに応じようとはしなかった。

³⁵さあ、お前たちの神殿は見捨てられてしまう。よく聞いておきなさい。救い主に対して、『主のお名前によって来られる方に祝福あれ』と、人々が心から賛美するわたしの再臨の時まで、今から決してわたしを見ることはありません。」