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ルカによるイエス・キリストの福音 14 - 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 bible

ルカによるイエス・キリストの福音 14

¹ある安息日に、イエスが食事をしようとして、パリサイ派の指導者の家に入られた時、人々がイエスの様子をじっと伺っていた。

²ちょうどそこに、水腫を煩っている人がイエスの真正面にいた。

³イエスは、律法学者やパリサイ派の人たちに向い、先手を打って、こう言われた。「安息日に病気を治すことは、許されていることでしょうか。それとも、許されていないことでしょうか。」

⁴彼らは黙っていた。そこで、イエスはその人を抱いて治してやり、そしてお帰しになった。

⁵それから、彼らに言われた。「もしあなたがたの中で、自分の息子や牛が井戸に落ちたとしたら、安息日だからといって、すぐに引き上げてやらない者がいるでしょうか。」

⁶彼らはこれに対して返答できなかった。

⁷客に招かれた人々が上席を選んでいる様子をご覧になったイエスは、彼らに一つのたとえを話された。

⁸「婚宴に招かれた時は、上席に座らないようにしなさい。あなたよりも身分の高い人が招かれているかもしれませんし、

⁹そうした場合、あなたやその身分の高い人を招いた人が来て、『この人に席を譲ってあげてください』とあなたに言えば、その時あなたは恥をかいて、末席に着かなければならなくなるでしょう。

¹⁰ですから、人に招かれた場合には、まず末席に行って座ることです。そうすれば、あなたを招いた人が来て、『どうぞ、もっと上席へお進みください』と言う時、皆の前で面目をほどこすことになるでしょう。

¹¹というのは、だれでも自分を価値ある者と思って高ぶる者は、いやしめられ、自分をつまらぬ者と思ってへりくだる者は、神様から誉れを受けるようになるからです。」

¹²また、イエスは、自分を招いてくれた人に、こう話された。「昼食や夕食に人を招く時、お返しを期待して招いてはいけません。

¹³むしろ、お返しなどを期待しないで人を招くようにしなさい。

¹⁴そうすれば、最後の復活の時、神様がそれに報いてくださいます。」

¹⁵イエスと一緒に食事をしていた客の一人が、これを聞いて、イエスにこう言った。「神の国で食事をする人は、なんと幸いなことでしょう。」

¹⁶すると、イエスはこう言われた。「ある人が盛大な晩餐会を催して、大勢の人を招きました。

¹⁷いよいよその時刻になったので、招いておいた人たちの所へしもべをやり、『さあ、おいでください。もう、すっかり準備ができました』と言わせました。

¹⁸ところが、皆同じように断り始めました。最初の人はこう言いました。『畑を買いましたので、見に行って来なければなりません。申訳ありませんが、伺うことができません。』

¹⁹ほかの人は、こう言いました。『十頭の牛を買いましたので、それを試しに行かなければなりません。申訳ありませんが、伺うことができません。』

²⁰また別の人は、こう言いました。『結婚しましたので、伺うことができません。』この人たちの言い分は、皆断る本当の理由ではなく、行きたくないただの口実に過ぎませんでした。

²¹しもべは帰って来て、このことを主人に報告しました。すると、主人は怒って、そのしもべに言いました。『それでは、急いで行き、町の大通りや路地に行って、パリサイ派の人からは決して招いてもらえない、貧しい人や、身体障害者や、盲人や、足の不自由な人を、ここに連れて来なさい。』

²²しもべは言いました。『ご主人様。仰せの通りにいたしましたが、まだ席が余っています。』

²³主人はしもべに言いました。『どこへでも行って、だれでも構わないから、人々を無理矢理に引っ張って来なさい。

²⁴よく言っておきますが、招待されていた人たちの中で、私の晩餐にあずかることのできる人は一人もおりません。』神の国で食事をすることは、確かに幸いなことですが、はたしてその幸いに入れる人は、だれなのでしょうか。」

²⁵大勢の群衆が付いて来たので、イエスは彼らの方を向いて言われた。

²⁶「だれでも、わたしのもとに来て、父、母、妻、子、兄弟、姉妹、さらに自分自身を愛する以上にわたしを愛する者でなければ、わたしの弟子になることはできません。

²⁷恥と苦しみと死を意味する十字架を背負い、わたしに従って来る者でなければ、わたしの弟子になることはできません。

²⁸たとえば、あなたがたの中で、だれかが塔を築こうとする時、それを仕上げるのに、十分なお金があるかどうか、まず座って、その費用を計算しない人があるでしょうか。

²⁹土台を据えただけで、完成できないなら、見ている人は皆あざ笑って、

³⁰『あの人は建て始めはしたものの、完成できなかった』と言うでしょう。

³¹また、どんな王でも、ほかの王と戦いを交えようとする場合には、二万人を引き連れて向って来る敵を、一万人で迎え撃つことができるかどうかを、まず座って考えてみないでしょうか。

³²もし見込が無ければ、敵がまだ遠く離れている間に、使者を送って講和を求めるでしょう。

³³そういうわけで、よく考え、自分の財産に対する執着を断ち切る者でなければ、わたしの弟子になることはできません。

³⁴塩は良いものです。しかし、もしその塩が塩気を失ったら、一体何によって、その塩気を取り戻すことができるでしょうか。

³⁵土にも肥しにも役立たず、外に投げ捨てられてしまいます。わたしの弟子も同じことです。」