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初代教会の働き 2 - 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 bible

初代教会の働き 2

¹主イエスの復活から七週目、ユダヤ人が小麦の初穂をささげる感謝の祭を祝う五旬節の日に、弟子たちはいつものように一つ所に集まっていた。

²すると突然、激しい風のような音が天から響いてきて、弟子たちが集まっていた家全体に響き渡った。

³また、燃える炎のようなものが舌のような形をして、一人一人の上に降った。

⁴すると、そこにいた人々が皆聖霊に満たされ、御霊の導きのままに、祭に集まって来ていたユダヤ人たちがそれぞれの国で使っている外国の言葉で話し始めた。

⁵エルサレムには、祭を祝うため、当時の地中海世界のあらゆる国から信仰深いユダヤ人が集まって来ていたが、

⁶余りの物音に驚いて、大勢の人が寄って来た。そして自分たちの国で使われている言葉で弟子たちが語るのを聞いて、驚いてしまった。

⁷その挙句、彼らはこう言った。「なんということだ。彼らは皆ガリラヤの人だというのに、

⁸私たちの国で使われている言葉を話しているではないか。

⁹ここにいる私たちは、パルテヤ、メディヤ、エラム、メソポタミヤ、ユダヤ、カパドキヤ、ポント、アジヤ、

¹⁰フルギヤ、パンフリヤ、エジプト、クレネに近いリビヤ、またローマの人間で、

¹¹ユダヤ人もいれば、異邦人からの改宗者もいる。また、クレテやアラビヤから来ている者もいるというのに、どうしてあの人たちは、私たちの言葉で、神様の偉大な働きが語れるのだろうか。」

¹²そして人々は皆驚いて、「これは、一体どういうことなのだ」と言い合った。

¹³けれども、中には、「いや、あの連中は朝っぱらから、酒に酔っているのさ」と言う者もいた。

¹⁴そこで、十二使徒は立ち上がり、ペテロが彼らを代表し、声を張り上げて、こう言った。「皆さん。ぜひ知っていただきたいことがあります。どうかよくお聞きください。

¹⁵今は朝の九時なのですから、酒を飲んで酔っぱらっている者などいるわけがありません。

¹⁶私たちの身の上に起ったこのことは、旧約の預言者ヨエルが預言したことの成就です。それはこういうことです。

¹⁷『神は仰せられる。終りの日になると、わたしの霊をすべての人に与える。すると、あなたがたの息子や娘たちは預言し、青年たちは幻を見、老人たちは夢を見るようになる。

¹⁸その日には、男も女もわたしに仕える者たちに、わたしの霊を与える。すると、彼らは預言する。

¹⁹また、上では天で不思議な奇蹟を示し、下では、地で印を示す。それは、血と火と立ちこめる煙である。

²⁰主の偉大な輝かしい日が来る前に、太陽は闇となり、月は血のように赤くなる。

²¹主のお名前を呼び求める者は、皆救われる。』

²²イスラエルの皆さん。よく聞いていただきたい。皆さんもご存じの通り、神様は、あのナザレのイエス様によって、皆さんの間で多くの驚くべき奇蹟を行われて、ご自分が神の御子であられることを立証されました。

²³皆さんは、この方をローマの官憲の手で十字架に付けて殺してしまいましたが、それも神様が永遠の昔に定めておられたご計画によるものでした。

²⁴ですから、神様はこの方を死の苦しみから解き放って、復活させられたのです。この方が死の力につながれていることなど、ありえないからです。

²⁵ダビデ王はイエス様についてこのように述べています。『私はいつも主が私と共にいてくださることを知っている。主は私を助けてくださり、私を御力によって支えてくださる。

²⁶だから、私の心は喜び、私の舌は賛美した。そればかりか、死ぬ時にもなお望みを持っている。

²⁷あなたは、私の魂を死人の中に捨て置くことをせず、あなたの聖い御子の体が朽ち果てるままになるのを、お許しにならないからである。

²⁸あなたは私に命を返してくださり、御前にあって、喜びで満たしてくださる。』

²⁹信者の皆さん。私が今引用した旧約聖書の詩篇の言葉は、ダビデ王が自分自身について言っているのでないことは明らかです。というのは、ダビデ王は死んで葬られ、その墓は、今日まで私たちの所にあるではありませんか。

³⁰しかし、彼は預言者であって、神様が彼の子孫から出る一人の人を、救い主として王位に着かせることを知っていたのです。

³¹ですから、ダビデ王は、救い主が必ず復活することを見通して、救い主の体が死人の中に捨て置かれたり、朽ちてしまうことはないのだと語ったのです。

³²事実、このイエス様を、神様は復活させられました。私たちは皆その証人です。

³³そういうわけで、神様の御座に着かれたイエス様は、天のお父様から、約束の聖霊を私たちにお与えくださいました。皆さんがご覧の通りです。

³⁴ダビデ王が自分自身について言っているのでないことは、彼が天に上ったことがないことからも明らかです。彼はまた、こう言っています。『神は、私の主である救い主に仰せられた。

³⁵わたしがあなたの敵を完全に征服してしまうまでは、わたしの王座に着いていなさい。』

³⁶ですから、イスラエルの人々は皆、このことをよく知らなければなりません。神様が主ともキリスト(救い主)ともされたこのイエス様を、あなたがたは十字架に付けたのです。」

³⁷人々はこれを聞いて心を刺され、十二使徒に言った。「先生方。私たちはどうしたらよいのでしょうか。」

³⁸ペテロは答えて言った。「自分の罪を捨てて、神様に立ち帰りなさい。そして、自分の罪を赦していただくために、イエス・キリスト様を信じなさい。そうすれば、聖霊を賜物として頂くことができます。同時に、イエス・キリスト様のお名前によってバプテスマを受けることです。

³⁹この救いの約束は、あなたがたユダヤ人ばかりでなく、異邦人も、すべて悔い改めて信じる人に与えられるもので、しかも、子々孫々に至るものです。」

⁴⁰ペテロは、さらにイエス・キリストによる救いについて説教し、「この悪の世から救い出されなさい」と言って、彼らに勧めた。

⁴¹その時、彼の言葉を受け入れた人々はバプテスマを受け、教会に加わった。その数は三千人ほどであった。

⁴²教会に加わった人々は、使徒たちの教育を受け、交わりをし、聖餐式や祈祷会に列席していた。

⁴³神を恐れる思いがすべての人を支配し、使徒たちは多くの奇蹟を行った。

⁴⁴信じた人々は皆一緒に生活し、すべてのものを共有にしていた。

⁴⁵そして、資産を持っている者は喜んでそれを売り払い、それぞれの必要に応じて分け合った。

⁴⁶また、毎日、心を一つにして神殿の所に集まっては礼拝し、家では聖餐式が行われ、喜びと真心をもって一緒に食事をし、

⁴⁷神を賛美し、教会外の人々からも好意を持たれていた。主は、救われる人を、毎日、教会に加えてくださった。