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ローマ教会へのパウロの手紙 8 - 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 bible

ローマ教会へのパウロの手紙 8

¹こういうわけで、キリスト・イエスを信じる者は、絶対に裁かれることはない。

²というのは、キリスト・イエスを信じた者に新しい命を与えてくださる御霊が、罪と死から解放してくださったからである。

³生れながらの私たちは、無力になっていて、律法の要求することを行うことができなかったのを、神ができるようにしてくださった。神は、御子を、人間の姿を取らせてこの世にお送りになり、十字架上で死なせられた。

⁴私たちクリスチャンは、もう生れながらの古い人に従って生活せず、御霊に従って生活しているなら、律法の要求していることが、完全に私たちのうちに満たされる。

⁵というのは、生れながらの古い人として生活するなら、自分を喜ばせるのがおちであり、御霊に従って生活するなら、御霊の御思いに沿うようになるからである。

⁶生れながらの古い人の生き方は、結局死にほかならないが、御霊に従う生き方は、命と平安である。

⁷というのは、生れながらの古い人に従うことは、神に敵対することである。それは、生れながらの古い人は、神の御心に従うことができないからである。

⁸生れながらの生き方をしている人は、神を喜ばせることができない。

⁹しかしながら、神の御霊は、あなたがたのうちにおられるのだから、あなたがたはもう生れながらの古い人として生きているのではなく、御霊に従って生きているのである。キリストの御霊をうちに持っていない人は、クリスチャンではない。

¹⁰キリストはあなたがたのうちにおられるのだから、生れながらの古い人は、罪のために死んでいても、生れ変った人は、命が与えられ、救われている。

¹¹そして、イエスを死人の中から復活させた神の御霊は、あなたがたのうちにおられるのであるから、キリスト・イエスを死人の中から復活させた父である神は、あなたがたのうちにおられる御霊によって、あなたがたの朽ち行く体も、復活させてくださるようになる。

¹²信者の皆さん。だから、私たちは、もう生れながらの古い人に従って生きる義務はない。

¹³というのは、あなたがたが生れながらの古い人に従って生活するなら、滅びる以外にないが、御霊によって、情欲に打ち勝つなら、生きるようになる。

¹⁴神の御霊に導かれている人は、だれでも神の子である。

¹⁵あなたがたは、人を再び恐怖に陥れるような奴隷の霊を受けたのではなく、神の子の御霊を受けたのである。私たちはその御霊によって、神を、「天のお父様」と呼ぶことができるようになった。

¹⁶御霊ご自身が私たちの霊に働いて、私たちが神の子供であることをあかししてくださる。

¹⁷こうして、神の子供であるのだから、また、神の国の相続人でもある。神の国の相続人である以上、キリストと共に栄光を受けるために、苦難も共にしているのであって、キリストと共同の相続人である。

¹⁸私はこのように考えている。今の時のいろいろな苦しみは、将来私たちに与えられる栄光に比べるなら、全く取るに足りないものである。

¹⁹今、被造物は、神の子供たちが明らかにされるキリスト再臨の時を切実な思いで待望している。

²⁰被造物が今むなしさの中にあるのは、自分の意志によるのではなく、神の御心によるのであって、そこにはまた希望がある。

²¹それは、被造物もその滅びに向っているむなしい状態から解放され、やがては神の子供たちの栄光に輝いた自由の中に入れられる。

²²私たちがよく知っているように、被造物全体は、今に至るまで、産みの苦しみをなめている。

²³そればかりか、来るべき祝福の初穂を頂いている私たちクリスチャンでさえも、心の中でうめきながら、神の子として完成されること、つまり、体の復活を待ち望んでいる。

²⁴私たちはこのような望みの信仰によって救われた。目に見えるものは望みではない。人は目に見えるものなど望んだりしない。

²⁵私たちが望んでいるものは、目に見えないものである。だから、忍耐をもって待ち望まなければならない。

²⁶御霊もまた私たちの弱さを助けてくださる。私たちは、どのように祈ったらよいか分らないのに、御霊ご自身が言いようもない深い御思いによって、私たちのためにとりなしてくださる。

²⁷人の心の中をも探り知られる父である神は、御霊の御思いが何であるかをも知っておられる。というのは、御霊は父である神の御心に従って、クリスチャンのためにとりなしてくださるからである。

²⁸また、私たちが知っているように、神を愛する人々、つまり神のご計画に従って救われた人々には、神がすべてのことを共に働かせて、益としてくださるのである。

²⁹というのは、神は予知しておられる人々を、御子の姿に似たものとするために、救いに予定しておられた。それは、御子がほかの神の子供たちの中で長子となられるためである。

³⁰そして、神は救いに予定しておられた人々を、この世から救い出し、救い出された人々をさらに罪に定められることのない者と宣言し、最後には栄光に輝く者としてくださるのである。

³¹すると、どういうことになるだろうか。神が私たちの味方である以上、私たちに敵対できる者などあるはずがない。

³²私たちすべての者のために、ご自分の御子をさえ惜しまず死に渡された父である神が、どうして御子と共に、すべてのものを私たちに恵みとして下さらないことがあろうか。

³³だれが神に選ばれた人たちを訴えることができるだろうか。とんでもない。神が無罪だと宣言しておられるではないか。

³⁴だれが裁くことなどできるだろうか。キリスト・イエスは死んで、その後復活され、神の御座に着いておられ、今、私たちのために、とりなしていてくださるではないか。

³⁵だれが、キリストの愛から、私たちを引き離すことができようか。患難か、苦しみか、迫害か、飢えか、欠乏か、危険か、死か。

³⁶旧約聖書の詩篇には、こう書かれている。「あなた(神)のために、私たちは一日中、身の危険にさらされ、ほふられる羊のように扱われている。」

³⁷しかし、こうした中にあっても、私たちは私たちを愛してくださったお方によって、ゆうゆうと勝つことができる。

³⁸私はこう確信している。死も、命も、御使いも、権威ある者も、今あるものも、後に来るものも、力ある者も、

³⁹高いものも、深いものも、そのほかどんなものでも、そのような被造物が、私たちの主キリスト・イエスにある神の愛から、私たちを引き離すことはできない。