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ヘブル人（ユダヤ人）クリスチャンへの手紙 10 - 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 bible

ヘブル人（ユダヤ人）クリスチャンへの手紙 10

¹イスラエル人の律法による古い制度は、やがてキリストによって与えられる本物を指し示す実物教育に過ぎないので、毎年ささげられるいけにえ自体によっては、礼拝する人たちを救うことはできなかった。

²もしそれができたのであれば、礼拝する人々は、一度清められれば、それでもう二度と罪意識を持つことは無くなるはずであり、それ以後ささげ物をする必要も無くなったはずである。

³ところが、実際は、これらのささげ物によって、かえって罪を毎年思い出してしまう。

⁴雄牛や山羊の血では、罪を取り除くことができないからである。

⁵だから、キリストがこの世に来られた時、このように仰せられた。「あなたは動物のいけにえを望まれないで、わたしがあなたにおささげする、体を備えてくださった。

⁶あなたは完全に焼き尽すいけにえと罪のためのいけにえでは、満足されなかった。

⁷そこで、わたしはこう言った。『神様。わたしのことについて、旧約聖書に記されているように、あなたの御心を行うために、わたしは参りました。』」

⁸ここで、初めに、「あなたは動物のいけにえ、完全に焼き尽すいけにえ、罪のためのいけにえを望まれず、また、それで満足されなかった」と仰せられ、

⁹次に、「あなたの御心を行うために、わたしは参りました」と仰せられている。つまり、新しい秩序を立てるために、初めの古い制度を廃止された。

¹⁰この神の御心に従って、唯一度だけイエス・キリストがご自分を十字架上でささげられたことによって、私たちは聖くされた。

¹¹また、古い制度下にあっては、祭司は毎日礼拝の儀式を行い、動物のいけにえを何度も繰り返しささげなければならないが、そうしたからと言って、人の罪を除くことはできない。

¹²しかし、キリストは私たちの罪のために、唯一つの永遠のいけにえを十字架上でささげてから、復活、昇天し、神の御座に着かれ、

¹³神が敵対している者たちを完全に征服してしまう日を待っておられる。

¹⁴キリストは一つのいけにえによって、聖くされた人々を永遠に完全なものとされる。

¹⁵聖霊もまた、私たちにこのようにあかししておられる。

¹⁶「イスラエルの人たちは最初の契約を破ったが、わたしが新しく結ぼうとしている契約はこれであると、主は仰せられる。わたしの律法を彼らの心の中に入れ、わたしの思いを彼らの心に書き付ける。」

¹⁷また、こうも仰せられる。「わたしは、もう二度と彼らの罪と不法を思い出すことはない。」

¹⁸このように罪が完全に赦された以上、もはや罪のためのいけにえは不要である。

¹⁹信者の皆さん。こういうわけで、私たちはイエスの血の持っている力により、確信を持って本当の聖所に入ることができる。

²⁰イエスはご自分の体を犠牲にし、聖所と至聖所の間を隔てていた垂幕を取り除き、私たちが神のみもとに自由に行けるようにしてくださった。

²¹さらに、私たちには神の家を支配しておられる、偉大な祭司がおられるのだし、

²²私たちの心は良心の呵責から清められ、体も清められたのだから、信仰の確信を持って、真心から神に近付こうではないか。

²³また、約束されたのは真実な方だから、私たちは動揺しないで、しっかりとした希望を告白し続けようではないか。

²⁴また、互いに勧め合って、どのようにしたらほかの人を愛し、助けてあげることができるかということについて、心を配ろうではないか。

²⁵こうして、集会に出ることを怠るような人たちに倣わず、互いに励まし合い、主が再び来られる日が間近であることを知って、ますますそうしようではないか。

²⁶もし私たちが罪の赦しの福音を知ってから、故意に罪を犯し続けるなら、罪のためのいけにえはもはや無い。

²⁷ただ、恐ろしい裁きを待つ以外にはない。

²⁸モーセの律法に従わなかった者たちが、二、三人の証人さえあれば、容赦なく殺されたとすれば、

²⁹まして神の御子を踏み付け、自分を聖くしてくださったキリストの流された血を無用のものとし、恵みを与えてくださる御霊の神を侮る者が、どんなに重い刑罰に値するかは言うまでもないことだろう。

³⁰「復讐はわたしのすることである。わたし自身が復讐する」と仰せられ、また、「主はその民を裁かれる」と仰せられたお方を、私たちは知っている。

³¹生きておられる神の刑罰を自分の身に招くことは、なんと恐ろしいことであろう。

³²あなたがたは、キリストを知ってから、あの苦しい迫害に耐えた初めのころのことを思い出しなさい。

³³時にはさらし者にされ、公衆の面前で侮辱と苦しみを受け、時にはそのような目に遭っている人たちの仲間であることを公言もしてきた。

³⁴あなたがたは投獄された人たちを思いやり、朽ちることのない永遠の宝を、天に持っていることを知って、自分の財産が奪われても、喜んでそれに耐えた。

³⁵だから、あなたがたの持っているその確信を放棄してはならない。それには、大きな報いが約束されている。

³⁶神の御心を行って、約束のものを頂くために、あなたがたに必要なものは忍耐である。

³⁷「もうすぐ来るべきお方キリストが来られる。遅くなることはない。

³⁸救われる人は、信仰によって生きる。しりごみする人を、わたしは喜ばない。」

³⁹私たちは、しりごみして永遠の滅びに至る者ではなく、信仰に立って救われる者である。