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ヘブル人（ユダヤ人）クリスチャンへの手紙 9 - 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 bible

ヘブル人（ユダヤ人）クリスチャンへの手紙 9

¹初めの契約にも、礼拝の規程と地上の聖所のことが記されていた。

²まず会見の天幕が設けられ、その前の方には、ランプと机と供えのパンが置かれていた。これが聖所と呼ばれる所であった。

³内側の垂幕の後ろには、至聖所と呼ばれる所があって、

⁴そこには金の香壇と、全部を金で覆われた契約の箱があり、その箱の中には、マナの入った金のつぼ、芽を出したアロンの杖、十戒の二枚の板があった。

⁵また、箱の上には、栄光に輝くケルビムと呼ばれる御使いの像があって、罪を赦す所と呼ばれる黄金のふたを覆うように、翼を広げていた。これらのものを、ここで、これ以上詳しく述べることはできない。

⁶これらのものがこのように整えられた上で、祭司たちは常に天幕の聖所に入って礼拝のための儀式をする。

⁷至聖所には、大祭司が年に一度だけ入り、しかも、自分自身と民が知らずに犯した罪のためにささげる血を持って行く。

⁸このことによって、聖霊は、古い制度が存続している限り、一般の人たちは聖所に入ることができないということも示している。

⁹これは、私たちに対する大切な教訓となっている。古い制度の下では、どんなにいけにえがささげられても、それによって礼拝する者たちの良心までも清めることはできなかった。

¹⁰古い制度は、食物や体を洗うことについてのもので、キリストが新しい秩序を確立されるまで、礼拝する者たちに課せられていた儀式に過ぎない。

¹¹しかし、キリストは、すでに成就された祝福の大祭司として来られた時、人の手によって作ったものでない、天にある偉大で完全な天幕を通り、

¹²また、山羊や子牛の血ではなく、ご自分の尊い血によって、唯一度だけ、本当の聖所に入り、永遠の救いを成し遂げられた。

¹³もし、山羊や雄牛の血や雌牛の灰でも、汚れた人々の上に注ぎ掛けられると、その人々の体を清める働きをするのだとしたら、

¹⁴まして、キリストがご自分を傷の無いささげ物として、永遠の御霊によって、父である神にささげられたその血は、なおさら私たちの良心を清めて、私たちを古い制度下での命の無い儀式を守ることから、生きておられる神に仕えるようにされないであろうか。

¹⁵こういうわけで、キリストは新しい契約の仲介者であられる。それは、古い制度下で犯した罪を償うための死が実現したので、救いにあずかった者たちが約束された永遠の神の国を継ぐためである。

¹⁶さて、遺言というものは、必ず遺言者の死亡証明が必要である。

¹⁷遺言は、人が死んで初めて効力を持ち、遺言者が生きている間は効力が無いという性質を持っている。

¹⁸それと同じように、最初の契約も、血なしに成立したわけではなかった。

¹⁹つまり、モーセが律法の戒めを、イスラエルの民全員に読み聞かせた時、水と赤い色の羊の毛とヒソプのほかに、子牛と山羊の血を取って、律法の書にも民全員にも振り掛け、

²⁰「これは、神があなたがたに対して立てられた契約の血である」と言った。

²¹モーセは、また会見の天幕にも礼拝用のすべての器具にも血を振り掛けた。

²²こうして、ほとんどすべてのものが、律法に従い、血によって清められた。血を流すことがなければ、罪の赦しはありえない。

²³このように、天にあるものをまねて作った地上の天幕とその中にあるすべてのものは、動物の血を振り掛けることによって清められるという形を取ったわけであるが、天にある本物の天幕は、これよりも、さらに優れたいけにえによって、清められなければならない。

²⁴キリストは、本物をまねて作った地上の聖所に入られたのではなく、天そのものに入られ、今、私たちのために、神の御前におられる。

²⁵地上の大祭司は、毎年、動物の血を持って至聖所に入るが、キリストは彼らのように毎年繰り返すようなことはなさらなかった。

²⁶もしそうでなければ、キリストは何度も十字架に掛らなければならなかったであろう。しかし、キリストは唯一度だけ、今この時代に、ご自分をいけにえとしてささげて、私たちの罪を取り除くために、この世に来られた。

²⁷人間は、だれでも一度は死に、死後裁きを受けなければならないことが決っているように、

²⁸キリストもまた、多くの人の罪を負うために、一度だけご自分の命をささげられた。そして、もう一度来られる時には、クリスチャンの救いを完成してくださる。