Read 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 士師記（士師統治記） 14 Bible Online

士師記（士師統治記） 14 - 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 bible

士師記（士師統治記） 14

¹サムソンがティムナへ行ったある日のこと、そこでペリシテ人の娘を見そめた。

²彼は帰ると、いきなり両親にそのことを話し、結婚させてほしいと頼んだ。

³両親は反対して、こう言った。「どうして神の民の中から結婚の相手を選ばないのか。ペリシテ人との結婚はいけない。」けれども、サムソンは父親に食い下がった。「どうしても彼女と結婚したいのです。」

⁴両親は、まさかそれが主の御心であるとは思ってもいなかった。主は当時イスラエルの民を支配していたペリシテ人を、打ち倒そうと計っておられたのである。

⁵こうして、サムソンは両親と一緒に、ティムナに行き、そこのぶどう畑にやって来た。すると、一頭の若いライオンが彼に襲い掛って来た。

⁶その時、主の御霊が彼の上に降り、彼を捕えたので、彼は力にあふれ、まるで子山羊でも引き裂くような手軽さで、ライオンを引き裂いてしまった。しかも、彼は素手でそれを行った。しかし、彼はそのことを両親には言わずにいた。

⁷サムソンはペリシテ人の娘の所に行き、彼女と話し合ってみると、ますます彼女が好きになった。

⁸しばらくたってから、サムソンは、彼女と結婚しようとして、またティムナへ来ると、その途中、あの引き裂いたライオンがその後どうなっているのか見たくて、寄り道をした。すると、あのライオンの死骸には、蜜蜂が群がっており、蜜がしたたっていた。

⁹彼は、それを手でかき集めて、歩きながらその蜜を食べた。両親にもそれを食べさせた。しかし、どこから取った蜜であるかは言わなかった。

¹⁰父親が彼女の所に行き、結婚の手はずを整えてくれると、サムソンは祝宴を催した。当時は、そのようにする習わしであった。

¹¹人々は、三十人の若者を呼んで、サムソンに付き添った。

¹²サムソンは、一つのなぞを出して、人々にその解き明かしを求めた。「もし、この七日間の祝宴の間に、それを解き明かす人がいたら、その人に上質の亜麻布の服三十着と、模様の入った服三十着を上げましょう。

¹³もし、解き明かすことができなかったら、あなたがたが私にそれだけの分を下さい。」彼らは乗り気になった。

¹⁴そこで、サムソンは彼らに言った。「食いつくものから、食べ物が出、強いものから甘い物が出た。」彼らは三日たっても、そのなぞを解き明かすことができなかった。

¹⁵四日目になって、彼らはサムソンの新妻の所に来て、頼んだ。「お宅のご主人をくどいて、あのなぞを私たちに明かしてください。さもないと、私たちはあなたの家に火を付けます。あなたがたは私たちから物を取るために、ここへ招待したのですか。まさか、そんなことはないでしょう。」

¹⁶サムソンの新妻は、泣いて夫に訴えた。「あなた。本当に私を愛していらっしゃるの。私たちの祝宴に町の人たちを招いて、なぞをかけておきながら、その解き明かしを、私にはしてくださらないではありませんか。」すると、サムソンは困ってしまった。「これは、両親にも言っていないことなんだ。どうして君にだけ話すことができるか。」

¹⁷彼女は、七日間泣きながら夫に訴え続けた。七日目になって、彼女がしきりにせがんだので、とうとうサムソンは彼女に明かしてしまった。新妻は町の人たちにそれを教えてやった。

¹⁸町の人たちは、七日目が終ろうとする前に、サムソンに言った。「甘いものと言えば蜂蜜、強いものと言えばライオンだ。」すると、サムソンは彼らに言い返した。「私の新妻の助けがなかったら、解けはしなかったろう。」

¹⁹その時、主の御霊がサムソンの上に降り、彼を捕えたので、彼はアシュケロンに行き、そこの住民三十人を殺し、彼らから取って来た服を、なぞを解いた者たちにやった。彼は妻をそこに残したまま、父の家に帰ってしまった。

²⁰そのため、彼の妻は、彼の結婚式に立ち合った人と結婚してしまった。