Read 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 ルツ記 2 Bible Online

ルツ記 2 - 現代訳聖書, Modern Japanese Bible, 1983 bible

ルツ記 2

¹ナオミは、亡夫エリメレクの親戚で、有力な人ボアズのことを知っていた。

²ある日、ルツはしゅうとめのナオミに申し出た。「お母さん。どなたか親切な方の畑へ行って、私たち未亡人のために残してある落穂を拾って来たいのです。」

³こうして、ルツは出掛けて行き、大麦を刈り取っている人たちの後に付いて、畑で落穂を拾い集めたが、彼女は、はからずもエリメレクの親戚であるボアズの畑に来ていた。

⁴ちょうどその時、ボアズはベツレヘムからやって来て、刈り取っている者たちにあいさつしていた。

⁵それから、ボアズは刈り取っている者たちを監督する若者に聞いた。「あそこにいるのは、どこの娘だ。」

⁶すると、その若者は彼に答えた。「あれは、ナオミと一緒にモアブの地から帰って来た女で、

⁷『落穂を拾わせてください』と言って、朝からずっとここで、ああやって働いているのです。」

⁸ボアズはルツのそばに来て、話し掛けた。「大変だね。でも遠慮したり、ほかの畑へ行ったりしなくていいんだよ。うちで働いている女たちの後に付いて落穂を拾いなさい。

⁹彼女たちが刈り取っている畑へ行って、その後に落ちている落穂を拾いなさい。若者たちには、親切にするようにと言っておいたから、安心しなさい。のどが渇いたら、水がめの所へ行って、思う存分飲みなさい。」

¹⁰ルツは嬉しくて仕方がなかった。そして、ただ頭を下げるばかりであった。「私は外国人ですのに、どうしてこんなに親切にしてくださるのですか。」こう言うのが精一杯だった。

¹¹ボアズは優しく話した。「私は、あなたが夫を亡くしてから、しゅうとめによく仕えてきたこと、それに、自分の生れた国を離れて、このイスラエルの地に来た話を、すっかり聞いたのだ。

¹²主があなたを豊かに祝してくださるように。また、主が豊かに報いてくださるように。」

¹³ルツは感激して、こう言った。「本当にもったいないお言葉、ありがとうございます。私はお宅の召使でもありませんのに、こんなにも親切にしていただいて、感謝の言葉もございません。」

¹⁴昼食の時、ボアズはルツに言葉を掛けてくれた。「ここへ来て、共にこれを食べなさい。」彼女は大麦を刈り取る召使たちのそばに座ったので、ボアズは妙り麦を沢山取ってやった。ルツはおなか一杯食べたが、なお余るほどであった。

¹⁵彼女が落穂を拾うために立ち上がると、ボアズは召使の若者たちに命じた。「あの女に親切にしてやりなさい。たとい刈り取っている時でも、落穂を拾えるようにしてあげなさい。

¹⁶束の中からもわざと落して、拾わせてやりなさい。決してしかってはいけない。いいね。」

¹⁷こうして、彼女は夕暮まで彼の畑で落穂を拾い集めた。拾った穂を打つと、大麦は三十六リットル升に一杯になった。

¹⁸ルツはそれを持って町に帰り、しゅうとめに見せ、昼食に食べた残りの物も取り出して、彼女に渡した。

¹⁹しゅうとめのナオミは不思議に思い、ルツに聞いた。「一体、どこで落穂を拾って来たの。だれの畑で拾って来たの。こんなによくしてくださった方のために、神様に感謝しましょうね。」ルツは今日あったことの一部始終をすべてナオミに話し、「ボアズという方の畑で拾わせていただいて来たのです」と答えた。

²⁰ナオミは、「主がその方を祝福してくださるように。実は、そのボアズという方は、私たちの親戚の人なのです」と話した。

²¹ルツはさらにその人の親切なことを話した。「その方は、また、『自分の畑の刈り取りが終るまで、この畑で落穂を拾いなさい』と言ってくださいました。」

²²ナオミは嫁のルツに言った。「それはいいことだわ。ほかの畑へ行って、意地悪をされなくて済みますもの。」

²³それで、ルツはボアズの所で働く若い女たちと一緒に、大麦と小麦の刈り取りが終るまで、落穂を拾い集めた。こうして、彼女はしゅうとめと一緒に暮した。