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ローマの信徒への手紙 3 - ラゲ訳聖書(ルビあり), Raguet-yaku, 1910 bible

ローマの信徒への手紙 3

¹然,さらばユデア人,じんに何,なんの長,ちやうぜる所,ところかある、又,また割禮,かつれいに何,なんの益,えきかある、

²其,そは各,おのおの方面,はうめんに多,おほし、即,すなはち先,まづ神,かみの曰,のたまひし御言,おんことばは彼等,かれらに托,たくせられたるなり。

³假令,たとひ彼等,かれらの中,うちに信,しんぜざる者,ものありしも、是,これ何,なにかあらん、彼等,かれらの不,ふ信仰,しんかうは神,かみの眞實,しんじつを空,むなしからしむべきか、決,けつして然,しからず。

⁴神,かみは眞實,しんじつにて在,ましまし、人,ひとは総,すべて僞,いつはる者,ものなり。録,かきしるして「〔主,しゆよ）是,これ汝,なんぢが其,その言,ことばに於,おいて義,ぎとせられ、審判,しんぱんせられ給,たまふも勝,かちを得,え給,たまはん為,ためなり」、とあるが如,ごとし。

⁵若,もし我,われ等,らの不義,ふぎが神,かみの義,ぎを顕,あらはすとせば、我,われ等,ら何,なにをか云,いはん、怒,いかりを加,くはへ給,たまふ神,かみは不義,ふぎなるか、――

⁶是,こは人,ひとの云,いふ如,ごとくに云,いへり――決,けつして然,しからず、若,もし然,しかりとせば、神,かみは如何,いかにしてか此,この世,よを審判,しんぱんし給,たまふべき。

⁷若,もし我,われ等,らの僞,いつはりによりて神,かみの眞實,しんじつ顕,あらはれ、其,その光榮,くわうえいの増,ましたらんには、争,いかでか我,われも罪人,ざいにんと定,さだめらるる事,ことあらんや。

⁸また――我,われ等,らの罵,ののしられて然,しか稱,となふと或,ある人々,ひとびとに云,いはるる如,ごとく――善,ぜんを來,きたさん為,ために惡,あくを為,なすべけんや、斯,かかる人々,ひとびとの罪,つみせらるるは宜,うべなり。

⁹然,しからば何,なんぞや、我,われ等,らは異邦,いはう人,じんに先,さきだつ者,ものなるか、決,けつして然,しからず、其,そは既,すでにユデア人,じんもギリシア人,じんも皆,みな罪,つみの下,もとに在,ありと證,しようしたればなり。

¹⁰録,かきしるして、「誰,たれも義,ただしき者,ものなく、

¹¹覚,さとる者,ものなく、神,かみを求,もとむる者,ものなし、

¹²皆,みな迷,まよひて相,あひ共,ともに空,むなしき者,ものとなれり、善,ぜんを為,なす者,ものなし、一人,ひとりだもある事,ことなし。

¹³彼等,かれらの喉,のどは開,ひらきたる墓,はかなり、其,その舌,したを以,もつて欺,あざむき、其,その唇,くちびるの下,したに蝮,まむしの毒,どくあり、

¹⁴其,その口,くちは詛,のろひと苦,にがみとに充,みち、

¹⁵其,その足,あしは血,ちを流,ながす為,ために疾,はやく、

¹⁶破,やぶれと禍,わざはひとは、其,その道,みち途,みちに在,あり、

¹⁷彼等,かれらは平和,へいわの道,みちを知,しらず、

¹⁸其,その目前,めのまへに神,かみに對,たいする畏,おそれなし」とあるが如,ごとし。

¹⁹但,ただし総,すべて律法,りつぱふの言,いふ所,ところは律法,りつぱふの下,もとに在,ある人々,ひとびとに向,むかひて言,いふこと、我,われ等,ら之,これを知,しれり、是,これ凡,すべての口,くち塞,ふさがりて、全,ぜん世界,せかいが神,かみに屈服,くつぷくするに至,いたらん為,ためなり。

²⁰蓋,けだし神,かみの御前,みまへには、如何,いかなる人,ひとも律法,りつぱふの業,わざに由,よりて義,ぎとせらるる事,ことあらじ、律法,りつぱふに由,よりて得,うるは罪,つみの意識,いしきなればなり。

²¹然,しかるに律法,りつぱふと預言,よげん者,しやとに證,しようせられて、神,かみの[賜,たまふ]義,ぎは今,いまや律法,りつぱふの外,ほかに顕,あらはれたり。

²²即,すなはちイエズス、キリストに於,おける信仰,しんかうに由,よりて神,かみの「賜,たまふ」義,ぎは信仰,しんかうする者,ものの凡,すべてに及,および、凡,すべての上,うへに在,あり、蓋,けだし差別,さべつある事,ことなし、

²³其,そは皆,みな罪,つみを犯,をかしたる者,ものにして、神,かみの光榮,くわうえいを要,えうすればなり。

²⁴人々,ひとびとの義,ぎとせらるるは、功,いさをなくして唯,ただ神,かみの恩寵,おんちように由,より、キリスト、イエズスに於,おける贖,あがなひに由,よりてなり。

²⁵即,すなはち神,かみは從前,じゆうぜんの罪,つみを忍,しのび給,たまひしに、其,その赦,ゆるしを以,もつて己,おのが正義,せいぎを顕,あらはさん為,ために、イエズス、キリストを宥,なだめの犠牲,いけにへに供,そなへ、其,その御血,おんちに於,おける信仰,しんかうを有,もたしめ、

²⁶今,いまは己,おのが正義,せいぎを證,しようせんとて、自,みづから其,その正義,せいぎを顕,あらはし給,たまひ、イエズス、キリストに於,おける信仰,しんかうの人,ひとをも義,ぎと為,なし給,たまひしなり。

²⁷然,しからば誇,ほこる所,ところ何處,いづこにか在,ある、其,そは除,のぞかれたり。如何,いかなる法,はふを以,もつて除,のぞかれたるか、業,わざを以,もつてなるか、然,しからず、信仰,しんかうの法,はふを以,もつてなり。

²⁸蓋,けだし我,われ等,ら謂,おもふに、人,ひとの義,ぎとせらるるは律法,りつぱふの業,わざに由,よらずして信仰,しんかうに由,よる。

²⁹神,かみ豈,あにユデア人,じんのみの神,かみならんや、異邦,いはう人,じんにも亦,また然,しかるに非,あらずや、然,しかり異邦,いはう人,じんにも神,かみたるなり。

³⁰其,そは神,かみは唯,ゆゐ一,いつに在,ましまして、割禮,かつれいの人,ひとを信仰,しんかうに由,よりて義,ぎとし、無,む割禮,かつれいの人,ひとをも信仰,しんかうに由,よりて義,ぎとし給,たまへばなり。

³¹然,さらば我,われ等,らは信仰,しんかうを以,もつて律法,りつぱふを亡,ほろぼすか、然,しからず、却,かえつて律法,りつぱふを固,かたうするなり。