Read ラゲ訳聖書(ルビあり), Raguet-yaku, 1910 ローマの信徒への手紙 4 Bible Online

ローマの信徒への手紙 4 - ラゲ訳聖書(ルビあり), Raguet-yaku, 1910 bible

ローマの信徒への手紙 4

¹然,されば我,われ等,ら、我,わが父,ちちアブラハムは肉身上,にくしんじやうよりして何,なにを得,えたりとか謂,いはん、

²其,そはアブラハム行,おこなひによりて義,ぎとせられたらんには誇,ほこる所,ところあるべきも、神,かみの御前,みまへには之,これあらざればなり。

³蓋,けだし聖書,せいしよに何,なんとか曰,いへるぞ、[曰,いはく]、「アブラハム神,かみを信,しんぜり、斯,かくて其,その事,こと義,ぎとして彼,かれに歸,きせられたり」と。

⁴抑,そもそも働,はたらく人,ひとの報,むくいは、恵,めぐみとせられずして負債,ふさいとせらる、

⁵然,されど働,はたらかず、不敬,ふけい者,しやを義,ぎとし給,たまふ神,かみを信仰,しんかうする人,ひとに於,おいては、其,その信仰,しんかう神,かみの恩寵,おんちようの規定,きていに從,したがひて義,ぎとして之,これに歸,きせらるるなり。

⁶斯,かくの如,ごとくダヴィドも、人,ひとが行,おこなひに由,よらずして神,かみより義,ぎとせらるるを福,さいはひなりと云,いへり、

⁷[曰,いはく]、「其,その不義,ふぎを赦,ゆるされ、其,その罪,つみを蔽,おほはれたる人,ひとは福,さいはひなる哉,かな、

⁸罪,つみを主,しゆの歸,きし給,たまはざりし人,ひとは福,さいはひなる哉,かな」と。

⁹然,さらば此,この福,さいはひは、唯,ただ割禮,かつれい[の人,ひと]にのみ止,とどまるか、将,はた無,む割禮,かつれい[の人,ひと]にも及,およぶか、我,われ等,らアブラハムの信仰,しんかうは義,ぎとして彼,かれに歸,きせられたりと言,いひしが、

¹⁰其,そは如何,いかにして歸,きせられしぞ、割禮,かつれいの後,のちか無,む割禮,かつれいの時,ときか、割禮,かつれいの後,のちに非,あらずして無,む割禮,かつれいの時,ときなり。

¹¹且,かつ割禮,かつれいの印,しるしは、無,む割禮,かつれいの時,ときの信仰,しんかうに由,よれる義,ぎの印證,いんしやうとして之,これを受,うけたり。是,これ凡,すべて無,む割禮,かつれいにて信仰,しんかうする人,ひとの父,ちちとなり、彼等,かれらにも[信仰,しんかうを]義,ぎとして歸,きせられしめん為,ためなり。

¹²又,また獨,ひとり割禮,かつれいある人々,ひとびとの父,ちちたるのみならず、我,わが父,ちちアブラハムの無,む割禮,かつれいの時,ときの信仰,しんかうの跡,あとを踏,ふむ人々,ひとびとにも割禮,かつれいの父,ちちたらん為,ためなり。

¹³蓋,けだしアブラハム又,または其,その子孫,しそんに、世界,せかいの世嗣,よつぎたるべしとの約束,やくそくありしは、律法,りつぱふに由,よるに非,あらず信仰,しんかうの義,ぎに由,よれるなり。

¹⁴若,もし律法,りつぱふに由,よる人々,ひとびとにして世嗣,よつぎたらば、信仰,しんかうは空,むなしくなり、約束,やくそくは廃,はいせられたるなり。

¹⁵其,そは律法,りつぱふは怒,いかりを來,きたし、律法,りつぱふなき處,ところには違法,いはふも無,なければなり。

¹⁶然,されば世嗣,よつぎは信仰,しんかうに由,よる、是,これかの約束,やくそくが恩寵,おんちように從,したがひて、凡,すべての子孫,しそんに對,たいして堅,かためられん為,ためなり。是,こは唯,ただ律法,りつぱふに由,よる子孫,しそんのみならず、アブラハムの信仰,しんかうに由,よりて子孫,しそんたる人,ひとの為,ためなり。

¹⁷蓋,けだし録,かきしるして、「我,われ汝,なんぢを立,たてて多,おほくの民,たみの父,ちちたらしめたり」とあるが如,ごとく、アブラハムは其,その信,しんぜし所,ところの神,かみ、即,すなはち死,ししたる者,ものを活,いかし、無,なきものをば恰,あたかも有,あるものの如,ごとくに呼,よび給,たまふ神,かみの御前,みまへに於,おいて、凡,すべて我,われ等,らの父,ちちたるなり。

¹⁸彼,かれは「汝,なんぢの子孫,しそん斯,かくの如,ごとくならん」と謂,いはれし儘,ままに、希望,きぼうすべくも非,あらざるに猶,なほ希望,きぼうして、多,おほくの民,たみの父,ちちとならん事,ことを信,しんぜり。

¹⁹而,しかも其,その信仰,しんかう弱,よわる事,ことなく、殆,ほとんど百歳,さいに及,およびて己,おのが身,みは既,すでに死,しせるが如,ごとく、サラの胎,たいも死,しせるが如,ごとくなるを顧,かへりみず、

²⁰又,また神,かみの御,おん約束,やくそくに就,つきても訝,いぶからず躊躇,ちうちよせず、却,かえつて神,かみに光榮,くわうえいを歸,きし奉,たてまつりて、

²¹約,やくし給,たまひし事,ことは悉,ことごとく遂,とげ給,たまふべしと、飽,あくまで知,しりて信仰,しんかうを固,かためたり、

²²故,ゆゑに此,この事,こと義,ぎとして彼,かれに歸,きせられたるなり。

²³此,この、「義,ぎとして彼,かれに歸,きせられたり」と録,かきしるされたるは、唯,ただ彼,かれの為,ためのみならず、

²⁴亦,また我,われ等,らの為,ためなり。即,すなはち我,われ等,らも、我主,わがしゆイエズス、キリストを死者,ししやの中,うちより復活,ふくくわつせしめ給,たまひし神,かみを信仰,しんかうする時,ときは、[義,ぎとして]之,これを歸,きせらるべし、

²⁵其,そは彼,かれ我,われ等,らが罪,つみの為,ために付,わたされ、又,また我,われ等,らが義,ぎとせられん為,ために復活,ふくくわつし給,たまひたればなり。