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ローマの信徒への手紙 7 - ラゲ訳聖書(ルビあり), Raguet-yaku, 1910 bible

ローマの信徒への手紙 7

¹兄弟等,きやうだいたちよ、我,われ律法,りつぱふを知,しれる人々,ひとびとに謂,いへば、汝,なんぢ等,ら律法,りつぱふに人,ひとの司,つかさどらるるは活,いける間,あひだのみなる事,ことを知,しらざるか。

²蓋,けだし夫,をつとある婦,をんなは、夫,をつとの存命,ぞんめい中,ちゆう律法,りつぱふを以,もつて之,これに繋,つながると雖,いへども、夫,をつと死,しすれば之,これに對,たいする律法,りつぱふを解,とかるるなり。

³然,されば夫,をつとの存命,ぞんめい中,ちゆう他,たの人,ひとに就,つけば姦婦,かんぷと呼,よばるべきも、夫,をつと死,ししたる時,ときは其,その律法,りつぱふより釈,ゆるされ、他,たの人,ひとに就,つくも姦婦,かんぷには非,あらざるなり。

⁴然,されば我,わが兄弟等,きやうだいたちよ、汝,なんぢ等,らもキリストの[死,し]體,たいに由,よりて、律法,りつぱふに對,たいして死,ししたる者,ものとなれり。是,これ死者,ししやの中,うちより復活,ふくくわつし給,たまひし他,たのものに属,ぞくして、我,われ等,らが神,かみに果,みを結,むすばん為,ためなり。

⁵蓋,けだし我,われ等,ら肉,にくに在,ありし時,とき、律法,りつぱふに據,よれる罪科,ざいくわの諸,しよ慾,よく、死,しの果,みを結,むすばせんとて、我,われ等,らの五體,ごたいの中,うちに働,はたらきたりしが、

⁶今,いまや我,われ等,らは既,すでに繋,つながれたりし死,しの律法,りつぱふより釈,ゆるされて、儀,ぎ文,ぶんの古,ふるきによらず、霊,れいの新,あたらしきに由,よりて事,つかへ奉,まつるに至,いたれり。

⁷然,しからば我,われ等,ら何,なにをか云,いはん、律法,りつぱふは罪,つみなるか、然,しからず。然,さりながら律法,りつぱふに據,よらずしては我,われ罪,つみを知,しらざりき。蓋,けだし律法,りつぱふが「貪,むさぼること勿,なかれ」と云,いはざれば我,われ貪,むさぼりを知,しらざりしに、

⁸罪,つみは機會,きくわいに乗,じようじ、掟,おきてによりて、我,わが中,うちに所有,あらゆる慾望,よくぼうを惹,ひき起,おこせり。即,すなはち律法,りつぱふなき時,とき、罪,つみは死,ししたるものにして、

⁹我,われは昔時,むかし律法,りつぱふなくて活,いきたりしが、掟,おきて來,きたりしかば、罪,つみは生回,いきかへりて、

¹⁰我,われは死,しせり、斯,かくて我,われを活,いかさんとて與,あたへられたる掟,おきては、死,しを來,きたすものとなれり。

¹¹蓋,けだし罪,つみは掟,おきての機會,きくわいに乗,じようじて我,われを惑,まどはし、且,かつ之,これを以,もつて我,われを殺,ころせり。

¹²然,さて律法,りつぱふは聖,せいなり、掟,おきても聖,せいにして且,かつ正,ただしく且,かつ善,ぜんなり。

¹³然,しからば善,ぜんなるもの我,われに死,しとなりたるか、然,しからず、唯,ただ罪,つみが罪,つみと明,あきらかに顕,あらはれん為,ために、善,ぜんなるものを以,もつて我,われに死,しを來,きたし、掟,おきてによりて甚,はなはだ罪,つみ深,ふかきものとなるに至,いたりしなり。

¹⁴我,われ等,ら律法,りつぱふの霊的,れいてきなる事,ことを知,しる、然,されど我,われは肉的,にくてきにして罪,つみの下,もとに売,うられたる者,ものなり。

¹⁵蓋,けだし我,わが行,おこなふ所,ところは我,われ之,これを知,しらず、其,そは志,こころざす善,ぜんは之,これを為,なさずして、厭,いとふ惡,あくは之,これを為,なせばなり。

¹⁶斯,かくて我,われ厭,いとふ事,ことを為,なせば、律法,りつぱふと同意,どういして自,みづから之,これを善,ぜんなりとす、

¹⁷然,されば今,いま之,これを行,おこなふ者,ものは、最早,もはや我,われに非,あらずして我,われに宿,やどれる罪,つみなり。

¹⁸蓋,けだし我,われ之,これを知,しれり、善,ぜんは我,われに、即,すなはち我,わが肉,にくに宿,やどれるに非,あらず、其,そは志,こころざす事,こと我,われに近,ちかしと雖,いへども、善,ぜんを全,まつたうすることを得,えず、

¹⁹志,こころざす善,ぜんは之,これを為,なさず、厭,いとふ惡,あくは却,かえつて之,これを為,なせばなり。

²⁰斯,かくて我,われ自,みづから厭,いとふ事,ことを為,なせば、最早,もはや之,これを行,おこなふ者,ものは、我,われに非,あらずして我,われに宿,やどれる罪,つみなり。

²¹然,されば我,われ善,ぜんを為,なさんとする時,ときは、法,のりとして、惡,あくの我,われに近,ちかきを覚,おぼゆ。

²²蓋,けだし精神,せいしんに由,よりては神,かみの律法,りつぱふを悦,よろこぶと雖,いへども、

²³我,われ五體,ごたいに外,ほかの法,のりありて、我,わが精神,せいしんの法,のりに敵對,てきたいし、我,われを虜,とりこにして五體,ごたいに在,ある法,のりに從,したがはしむるを認,みとむ。

²⁴嗚呼,ああ我,われは不幸,ふかうの人,ひとなる哉,かな、誰,たれか此,この死,しの肉體,にくたいより我,われを救,すくふべきぞ、

²⁵我主,わがしゆイエズス、キリストに由,よれる神,かみの恩寵,おんちよう是,これなり。故,ゆゑに我,われは自,みづから精神,せいしんに由,よりては神,かみの律法,りつぱふに事,つかへ、肉身,にくしんに由,よりては罪,つみの法,のりに仕,つかふ。